水底ガムシロップ

世の中わかんないことばっかりだ

【SideM】葛之葉雨彦と陰陽師と特殊清掃

 

各々が一人の人生レベルで細かく設定されている(と思われる)315プロダクションアイドルの中においてなお、葛之葉雨彦の行動パターンや言動の軸は読みづらい。

私はPになって大体二年になるが、こんなに行動の予測がしづらいというか妄想しても「いや違うな…」となるキャラクターは初めてで、某情報量極小ジャンルにおいて培った元ネタのサーチ力とこじつけ考察をフル稼働させてなんとか糊口を凌いでいる状況だ。

その話でこの前唐突に重要情報が公式から提示されてけっこう考察が捗ったので、以前から貯めていたのをこのへんで形にしておこうと思う。つまりいつもの妄言です。

 

 

■「陰陽師」について

言わずもがな葛之葉雨彦の発想元はオタク通らない道はない三銃士が一人安倍晴明だ。

 

・苗字の「葛之葉」は晴明の母親で化け狐の説もある曰くつき。

・雨彦自身には「他人のネガティブな感情が「汚れ」として見える」「目がいい」という言及があり(恒常雑誌「掃除屋稼業 前編・後編」)、恒常私服では必ず数珠や式神札と思しきアイテムを身に着けている。

・家も「アヤカシ清掃社」という「いかにも」な名前だ。こちらの掃除稼業についてはあとで詳しく記述するのでここではこれ以上言及しない。

 

で、雨彦本人が安倍晴明を演じるという聞いただけで卒倒しそうな仕事があった。

(イベント「陰陽師大戦~宿命の二人~」参照)

 

こちらの世界では「安倍晴明が元ネタ」という話はあるものの、315プロのある世界ではもちろん誰もそんな話をしていない。

・が、ここで雨彦は「安倍晴明」についてこう言及している。

「俺が陰陽師の役ねぇ…」

「俺が安倍晴明を演じるなんて、夢にも思わなかったぜ」

(【高潔なる陰陽師】葛之葉雨彦 カード台詞・信頼度MAX台詞一部抜粋)

死霊の海賊ヒューゴを演じた時もかすかに引っかかる物言いをしていたが、それがここでも出ている。

今のところこれの真意は不明だ。陰陽師の話題なんてそうポンポン出てこないし順当といえば順当か。

 

夢枕獏の「陰陽師」という作品がある。

この中で登場するシャーロックホームズ立ち位置安倍晴明に対し、ワトソン立ち位置な源博雅という男がいる。これは先の「陰陽師大戦」には存在しない役だ。

少なからず参考にした、というか好きな人作っただろうな…という気配を感じるストーリーだったのに、重要なはずのワトソン役がいないのはなぜなのか。

 

作中、安倍晴明は博雅に幾度も「お前はよい男だ」と言う。

それで恋人だなんだでなく、ブロマンスという言葉すら軽々しく思える密度の濃い関係であり続ける二人が非常に印象的だった。

 

どこかで見覚えがないですかこれ。

プロデューサーと雨彦の関係と似てないですか。

 

雨彦はプロデューサーに常々反応に困るラブコール…ラブコールと呼んでいいのかもよくわからない…好意を向けてくれる。詳しくは検索してください。

オフショットのチェンジ後はその好意の極点だ。窒息する程の情報量ととんでもない状況につい気を取られるが、忘れてはならないのは恐らくカードの後プロデューサーと雨彦はコーラを飲んで談笑して終わりだという事だ。

いかがわしい事は起きない。少なくとも公式の世界線では。

これは安倍晴明源博雅がそうであったのと同じなのでは、と考えている。だから陰陽師大戦にも博雅の役はなかったのだと。

 

まあ何も言及ないので普通に違うかもですけどね!

 

 

 

 

 

■「掃除屋」について

雨彦の家業である。

恒常雑誌で言及されたもののそれ以降滅多に情報が出なかったため長らく謎に包まれていたが、予期せぬタイミングで情報が飛び出してきた。去る8/25、市原のイベント時である。

 

 

上記のうち、最も雨彦のパーソナリティと人間性を紐解く鍵になるのが「特殊清掃」 だ。

他の三つに関しては多分調べれば出てくる情報だけになるのでここでは言及しない。

 

・特殊清掃とは

Wikipediaによると、

「特殊清掃業(とくしゅせいそうぎょう)とは、清掃業の一形態である。一般には、Crime Scene Cleaners事件現場清掃業)等とも呼ばれる清掃を指すことが多く、事件事故自殺等の変死現場や独居死、孤立死孤独死により遺体の発見が遅れ、遺体の腐敗や腐乱によりダメージを受けた室内の原状回復や原状復旧業務を指す。」

他にもゴミ屋敷の片付けなんかもあるとか。

 

ここから先は私ができる範囲で調べた特殊清掃の詳細の話題になる。

Wikiの文章で嫌な予感がする方は是非読むのを止めてほしい。あと検索もしないほうがいい。普通にググるだけでわりと人を選ぶ画像が出てくる。

「葛之葉雨彦は恐らく死体のあった部屋を清掃した経験がある」知識だけでも彼を見る目は随分変わると思う。

でも、これが「誰かがやらなければならない仕事」であり、「同じ人間でもこの景色を見なければならない人がいる」事も事実だ。

私も調べるまで殆ど知らなかった。

 

ちなみに、これはあくまで調べた事象をキャラクターのパーソナリティと照合するのが主目的で、特殊清掃についての啓蒙が主ではない。

 

以降を読む際・あと検索する際も元気とか他諸々が削がれる可能性がある事を承知おきいただきたい。私も書いててめちゃくちゃしんどかった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※特殊清掃についての参考資料はグーグル検索でトップページに出てくるものと、広告でそれなりの頻度見かける「不浄を拭う人」という漫画。

それと調べて騒いでいた私に優しく特殊清掃の話と雨彦の話を絡めて教えてくれたフォロワーさん、ありがとうございました。調査は不足していると思うのでもう少し元気になったらやってみます。

 

※以下は全部根拠の乏しい妄想なのでよろしくお願いします

 

・「3000円引き」はお得なのか?

重めな話に移る前に。ニコ生でも出た話題である。

恒常Rチェンジ前雨彦の持っているクーポン(どうでもいい情報だが華符演舞祭の雨彦の雑誌で太股付近のポケットに同じクーポンらしきものが詰まっているのが見える)には「3000円引き」とある。

これがどのくらいお得なのかは気になっていたので調べたが、まあクーポンあんなに用意してるんだからつまりそういうことだ。そんなに得じゃない値段だった。

後述する特殊清掃はもちろん単価は10万超えているし、環境によってさまざまな追加料金が発生・差し引きされることを考慮するとハウスクリーニングでも馬鹿にならない値段だった。

でもアヤカシ清掃社に依頼したらワンチャン雨彦が家に来てくれるかもしれないんですよね。胸躍りますね。多分今はそれ目的の依頼は事務所NGだろうけどな!

 

 

前座はここまで。

 

 

・「掃除屋」の重さ

特殊清掃とは、死体だけが消えた事故現場という究極の非日常を日常に戻す作業だ。

検索すればすぐ出てくるが、死体が無くとも血だまりや体液がしっかり残っているものも少なくない。死体にたかっている虫の駆除を行う事も多いという。こびりついた所謂「死臭」の除去もある。文字にするだけで元気が失われる。

この光景を、依頼が来れば見る事になる。

見るだけではなく、それを元の、誰もがその「死」を想起させないいつもの光景にしなければならない。技術的にはもちろんだが、精神的にも負荷は相当なものになると思う。

 

特殊清掃に関わる人はそれだけで強靭な人間性が求められるのがわかるが、ここで思い出してほしいのが葛之葉家の設定だ。

「葛之葉の名と血を守るのは女たちだ 俺たち男衆の仕事は―掃除だ」

「ああそうだな親父 俺は掃除屋だ」

(恒常雑誌「掃除屋稼業 後編」)

 

葛之葉の家は少なくとも当代から掃除屋を営んでいるわけではない。代々続く、という言葉が似合う老舗というのが読み取れる。

家業、として誇りと使命感を持ってすべての掃除を行っているのが雨彦の台詞の数々からもわかる。

 

 

ならば、雨彦は「一体いつから」「特殊清掃の仕事を」「何度経験していたのか」?

ただでさえ特異な仕事だというのに、それを「家業」として「その家に生まれたならばやらねばならない」事として教え込まれてきたとしたら?

 

 

雨彦の人間性として特徴的な「掃除屋として」のあまりにも頑なな態度はここに帰結するのではないだろうか。

以前どこかで、2nd stageのカードで「いっそのことこっち(アイドル)を本道にしちまおうか」という台詞があって、「まだ雨彦はアイドルに本気じゃない」事にわりと多くのPがショックを受けていた話をしたと思う。私もショックだった。

 

でも多分これは前提が間違っていたのだ。

雨彦は掃除屋としての生き方を叩き込まれてきた。特殊清掃含むとなれば、その使命感と「俺がやらなければ、俺の代わりに誰かがやることになる」的な(これは妄想)雨彦の優しさもあって、我々の予想を遥かに超える重さになっていたと思う。

そこから一年足らずで「こっちを本道にしちまおうか」とうそぶけてしまうほど、雨彦にとってアイドル活動は「愉快」だったのだ。相当楽しかったのだ。

Pは悲しむところじゃなくて、喜ぶべきだったのだ。彼がここまで純粋に「仕事」を楽しんでくれる様を。

 

 

・人間との距離感

雨彦のパーソナリティで特徴的なもののひとつに、他人との距離感がある。

誰とでも気さくに話をするが、なかなかプライベートな情報は出してこない。情報はないが知り合いは多かれど友達と呼べる人もなかなかいなさそうだ。北村想楽と古論クリス、プロデューサーはじめとする315プロの面々を同じ尺度でとらえているかはわからないので何とも言えないが。

気が付けば事務所から消えている。映り込みも遠征の仕事中(【瞳に映る自信】岡村直央)と撮影現場(【継承される憎悪】舞田類)の二つのみで、オフショットなどの客演は未だにない。

 

この距離感は一体どこが由来なのか?

それのヒントも特殊清掃から引っ張れば見える、気がする。

 

特殊清掃は「明日が普通に来る」と思っていた=死の準備をしていなかった人の部屋を見る事が多いという。(もちろん自死現場もあるが)

はからずも遺品となったものはそこらじゅうに散らばっている事が多い。

 

例えばその遺品から部屋の住人のパーソナリティを連想できたとすれば。

例えばそのパーソナリティが、自分の親しい人と符合したら。

 

その人でないのは理解できても心に渦巻くものはあるだろう。

割り切れる人も当然いると思うが、それを生涯の仕事にするならば、「すぐ頭に浮かぶ程度に親しい人」を積極的に作らないという防御策に出る人間もいるのではないだろうか。

雨彦の言葉の端々に滲むあまり他人に深入りしない・させない姿勢もここから来ているのかもしれない。

 

 

・それでも失わない善性

死の現場というのは写真で見ただけでも精神を持っていかれそうになるものだ。

流れているはずの時間が止まってしまった空間には、必ず過去にあった感情が渦巻いている。

自死だろうと孤独死だろうと、現場の構成要素にはほぼ必ずネガティブな感情がある。

特殊清掃に関わる人の中にはその後霊障を経験するケースもあるのだとか。

 

最初に言った雨彦の情報を覚えているだろうか。

 >「他人のネガティブな感情が「汚れ」として見える」「目がいい」という言及があり(恒常雑誌「掃除屋稼業 前編・後編」)

 

つまり我々の世界における特殊清掃を仕事とする人たちよりも、雨彦は恐らく倍ではきかない人間のネガティブな感情を目にしていた可能性がある。

 

おまけにアヤカシ清掃社はオカルトがらみの節がある。雨彦もスタジオにいる幽霊と思しき何かに話しかけているシーンがあったり、(CD ST@RTING LINE-15 Legenders ドラマパート1冒頭)、

幽霊に関して「そりゃあ今までいろいろ見てきたからな」と言っている(イベント「Pirate's Treasure ~不滅の海賊船~」ストーリー05)。

 

 

自死孤独死の現場で、雨彦は「普通の人の目には映らないもの」まで「よく見える目」で捉えてしまっていた事もあったのではないか。

ただでさえ心理的負担がとんでもない特殊清掃において、雨彦はその天性の目のせいで想像を絶する光景を見ていたのではないか。

 

特殊清掃やってる人間に心霊系がほぼ全部見える目と感情が見える目を持たせるって控えめに申し上げて地獄ですね。考えた人、人間の心がない。

 

 

でも大事な事実がある。雨彦は人間そのものを今もひどく好いているのだ。

演者の笠間さんはラジオで雨彦のこの感情を「愛」ではなく「慈しみ」と表現していた。想定とはいえ人間の最も醜い部分を家業として何度も(これは妄想)見せられてきた彼は未だに人間を信じている。生きている人も、たとえそうでなくなった人も、彼はいとおしくてたまらないのだ。

それは他人にできない「いなくなったひと」の善性に触れられたからなのか、他の要因があるからなのかはわからない。

でも雨彦は人間に絶望していない。人間がいとおしい。それだけでも十分だ。

だが奇跡はそれだけではない。

 

 

・アイドルになってくれた奇跡

特殊清掃にクローズアップして見ると雨彦の前職は「マイナスの非日常の極点から何の変哲もない日常に戻す」仕事だ。

雨彦の座右の銘「掃除は生きる場所作り。」の大元となるのはおそらくここだ。ソロ曲Sweep Your Gloomでも類似したフレーズが出てくるあたり、本人的にも譲れない部分なのだろう。

対してアイドルは何だろうか。「何の変哲もない日常からプラスの非日常の極点に連れていく」仕事だ。

掃除、だけではわからなかったが、この二つの職業は対極だ。

 

雨彦がアイドルになったきっかけは芸能スタジオなど、芸能人しか入れない部分の掃除をするためだ。

だから多分、これまでの妄想を含めて考えると「自分がプラスの非日常の中に飛び込む」事は一切考えていなかったのだろう。

掃除の片手間に仕事をこなす、怪しまれないようにどちらも完璧に、と。

 

だが実際やってみれば掃除が必要な現場は少なかった。代わりに自分が今まで想像もしなかったプラスの非日常に飛び込んだ。

今まで悲しむ人を見ても、その悲しみを散らすのではなく溢れた涙を拭う事を選んできた自分が、今は人を最高の笑顔にする仕事をしている。

なんて奇跡だろう。

切っ掛けはどうあれ、狭い葛之葉の世界から自らアイドルの世界に飛び込んできてくれた事自体が、途方もない奇跡に思える。

 

ありがとう葛之葉雨彦。アイドルになってくれて。

ありがとう、アニバーサリーイベントでついに「アイドルとして」と言ってくれて。

これからも楽しいお仕事をPはジャカジャカ取ってきますね。

 

 

・余談:ヒューゴ・レインという男

Legenders初の劇中劇「Pirate's Treasure ~不滅の海賊船~」にて、雨彦はヒューゴ・レインという亡霊海賊船長を演じている。

最近ボイスが実装された(本当にありがとうございます)のだが、その中で「あれ?」と思ったのがチェンジ後のボイスだ。

 これは是非カードを借りるなりなんなりして聞いていただきたいのだが、台詞(から予想される声色)と実際のボイスのギャップがある。

 

台詞は「そいつが人間としての心を残しているかどうかは、目を見ればわかる。さて、キャプテンヒューゴの目はどう見える?」

なのだが、ボイス…を…なんとか聞いていただきたい。

台詞から予想されるのとは少し違う、雨彦にしては珍しく怖い声に私は聞こえた。

想像上のキャラクター、しかも自分が演じる役に対して警戒心というか敵愾心のようなものを抱いているのは意外だった。

 

でも今までの話を総合するとなんとなくその感情の正体は推し量れる気がする。

ヒューゴは幽霊で、劇中では海図を奪うため・略奪の為に罪なき船を急襲し恐らく船員を皆殺しにしている。

 

雨彦の掃除対象にヒューゴのような悪霊がいたことがあったのかは不明だが、

幾つもの死を見てきて、生きている人間の尊さを何より慈しみ死した人間への配慮もきっと忘れた事のない彼にとって、

「生きている人間の命を自分の都合ひとつで奪うもの」はきっと何よりも許せないし、

あまつさえその奪う者が生きていない「死霊」ならばなおの事思うところがあるのではないか。

 

はじめての劇中劇でこんな役やらせるモバくんは鬼だよ。

 

なんか、そうなると「家族親戚総出で笑われそう」のくだりは、本当に笑われるだけで済むのか…などと考えてしまう…

(あとこれはもうほんとに根拠のない話なんですけど、上の想定を踏まえると演者の笠間さんは特殊清掃の情報を少なくともボイス収録の折には聞いてたんじゃないかなって…一から考え直して、みたいな事おっしゃってたし)

 

 ■まとめ

しんどすぎるな…まあでもこれは推しを地獄に置きがちなオタクの妄想みたいなもんなので…いやでもやってそうやってそうさんざん言ってましたがほんとにこんな形で情報出てくるとダメージでかいですね…雨彦が特殊清掃やってた証拠は実は一切ないんですけど、座右の銘とか今までちょっと違和感あった部分がすごく綺麗にハマったので多分…そうなのではないかと…と思ったのともうその事で頭がいっぱいになってしまったので容量整理ついでに書きました。お疲れさまでした。