【特撮を見た】仮面ライダーエグゼイド
SideMの話ばかりでアレなので最近見た特撮の話をしたい。
仮面ライダーエグゼイドを一気見した。
元々プライベートの事情で一切リアタイができなかったライダーだったのだが、
方々の知り合いから「何故見ていない」「見ろ」「絶対好きだから」といつもの攻撃を受けたので、この前のソシャゲイベントのおともに見ていた。
めちゃくちゃ面白かった。
・平成仮面ライダー二期において、私は隠しステータスとして「トンチキノルマ」があったんじゃないかと踏んでいる。
これは一期にはあまり存在しなかった…というか、やっても普通に滑っていたのが多かったギャグテイストがそれにあたると思うのだが、二期は恐らく一定の数値としてトンチキ要素をどこかにぶっこむノルマを課していたように思う。
くらいどの作品にもトンチキ要素があった。
エグゼイドのトンチキ要素は恐ろしくわかりやすい。ライダーデザインと檀黎斗だ。
スーツアクターの高岩さんをも心配させたポップで誰が見ても「何だこれ」となるデザイン。奇をてらうとはまさにこのことで、私もデザイン発表までは追っていたので流石にちょっと不安だったのを覚えている。
檀黎斗に関してはネットスラングとしてオタク界隈に広く浸透している現状を見てもトンチキ成功例なのだろう。
何をしてもやりすぎ感が出ず、キャラ崩壊も感じないキャラクターというのはずるい。
で、私が感心したのはエグゼイドのトンチキ要素がこの二点に局所集中していたことだ。
上記以外のストーリー・キャラクター・展開にトンチキな部分が殆ど無かったため、平成二期とは思えぬハードで容赦の無い展開・おっかないキャラクター・シリアスな命のやり取りをまったく邪魔されることなく楽しめた。
私は個人的に平成二期の大事なところでギャグシーンが挟まったり(しかもつまらない)サブキャラがなかなか倫理的におかしいことをギャグのノリでやるのがあまり理解できず、それが原因で見るのを辞めたシリーズもあるくらいだったので相当心配していたのだが、全くその部分に関しては憂うことなく物語に浸かることができた。
この方向性は本当に好きなので嬉しい。
・医者とゲーム、命への取り組み方
医者とゲーム開発者とはなかなか奇特な取り合わせだが、どちらも「命」に対する考え方を強く問われる職業だ。
そこにはフィクションとノンフィクションの難しい差があるが、エグゼイドではその難しさを「ゲーム病」として落とし込み、「実際に命を失う危機」の対比をわかりやすく描いている。
ゲーム病という新しい未知の病を出すことで「治療法を将来見つけようと研究している病気」というこれまた難しい先進医療の話も子供でも飲み込みやすく描写されていて、すごいと思った。
簡略化された医療のポイントと、医療従事者たちの熱意をおろそかにせずしっかり伝わってくるのはとてもよかった。子供たちの心にもちゃんと響いたと思う。
対してゲーム開発者としては檀黎斗がいる。
これまた特濃のキャラクターだが、ただの悪人ではなく「作ったゲームをみんなに楽しんでもらいたい」が本心なのをきっちり描いている。自分のポリシーに合致する際は協力し、合致しない際は丸投げする。本編では結局協力者としての立ち位置で終わっていたが…?というどんでん返しもあいまって憎めない、いや相当愛されるキャラクターになっていたのは見事だった。檀黎斗に限った話ではないが、エグゼイドのキャラクターたちはみんな目的と芯がわかりやすく通っていて、それでいてその芯をギャグ要素などにからかわれないのが良かった。
私が個人的に一番すごい作品だな~と思ったのは花家大我の手術後、二人が和解した時の鏡飛彩・花家大我・九条貴利矢の表情だ。
三人とも影のある人間で普段そこまでにこやかな方ではないのに、この時三人は揃って屈託ない笑みを浮かべていた。
この人たちは様々な人生を歩んできたとはいえ、医者なのだ。誰かの命をつなぎとめた事実を喜ばないわけがないのだ。それがすごく綺麗に演出されていて良かった。
・九条貴利矢について
推しです。推しになった次の話で死なれてツイッターで絶叫したら完走していたフォロワーたちに愉悦されました。
ゲンムレーザーまで見た今思いますがあなた方人の心なさすぎではないですか。ネタバレ配慮本当にありがとうございました。
監察医で仲間をゲーム病でなく事故で失ってるからゲーム病の解明が進んでも絶対に返ってこない、軽薄で胡散臭くてそれでいて誰よりも人を信じてしまう熱い男。そんなの嫌いな人間いないじゃないですか~!まさか復活すると思わないじゃないですか~!しかも復活したらバグスターって…どうすんのこれと思ってたらゲンムレーザーで二転三転してああなったのはめちゃくちゃ泣きました。推しを東映に殺されるのはかなり回数経験してますが復活は初経験だったので最初期間限定なんでしょ!?ってめっちゃ疑ってました。すいませんでした。
かっこいいですよね。35話付近の黒ジャケットがツボすぎて死にましたし真相がわかってから「自分の嘘にノれ」からの宝生永夢にぶん殴られて「のってやるよ!」の流れは震えました。
その後も宿敵どころか自分を殺した張本人である檀黎斗に対しては恐ろしい程怖い目を隠そうともせず、でもきっちり協力すべきところは協力していたのが大人、社会人として最高でした。でも心中はね、よくないよ、キッズの健全育成に甚大な影響があるからね、めちゃくちゃ興奮しました
あと檀黎斗と宝生永夢それぞれに対する態度のえらい違いもよかったですね。そういうの隠そうともしないのが良い。というかえむ先生に懐きすぎでは?
・花家大我と西馬ニコについて
推しカプですね。11歳差って聞いて飛び上がりました。
東映の男女CPはなかなか悲恋で終わる事も多いのと花家先生がけっこう危なっかしかったのでヒヤヒヤしながら見ていましたが生存してくれて本当によかったです。
クールでシニカルな男がかわいい女の子にほだされて人間に戻っていくのはいつ何度見てもよいものですが、超真剣な話してるのにほっぺに貼られた絆創膏が明らかに女子高生のソレだったシーンはなんか…いかがわしいものを見た気分になりましたね…ありがとうございました…
ニコちゃんの(かなり乱暴ではあったものの)決死の努力の末どんどんもとの優しい花家大我に戻っていくのはなかなかかわいかったです。どんどんニコちゃんにあまあまになっていくのもたまんないですね!戦闘時はいいバディだったのもよい!
他にも書きたいことありますがひとまずこのくらい。エグゼイドはいいぞ!