何分隠し事が苦手な性分である。
会社だの学校だので当たり障りもオタク趣味もない人間に擬態する事がついぞできないまま現在を迎えているくらいなので、当然私と知り合った人間のおおよそが私がオタクだということが分かっている。
で、その性分のせいで好きなものもTwitterなどで好きなものを語り散らかせいていたらあらゆる知り合いから「お前は絶対に好きだからさっさとやれ」と脅されたのがUNDERTALEである。
ゲーム音楽のベスト1000を有志投票で決める某企画を毎年覗いている身として知らないわけがない名前だ。なんせ上位をほぼ占めている。
おまけにネタバレも奇跡的に踏んでいない。意図せぬネタバレに配慮のあるゲームは素晴らしい。あけっぴろげにしないプレイ済各位にも感謝しながらプレイを始めた。
で、NルートとPルートをクリアし、Gルートは詳細を聞いて震えあがったのち申し訳ないことに動画を見た。
もうゲームの感想とかすごさについてはほうぼうで語られているだろうから、予想通り好きになってしまったサンズの話でも書いていこうと思う。
・ずるくない?あんな好き要素盛られて更に隠し要素と考察でチョモランマもかくやでしょ
・胡散臭くて面倒くさがりでいつもニヤニヤしているスケルトン。ピュアでお調子者で誰より優しい弟パピルスにけなされながらも、誰より彼を心配してくれている素敵な兄ちゃん。
・かと思えばまるで世界の理とゲームシステムに勘付いているかのように主人公に探りを入れる。道化の振りをして。
・そして、全てを殺し愛する弟を殺した悪鬼となった主人公に対しては、文字通り最強
の敵として立ちはだかる。それも数々の型破りな攻撃を混ぜ合わせ、話術すら使い。
・残された資料の断片、意図して周回しなければ見えてこない要素からわかる「科学者」としての顔。
このゲームは「ケツイ」の強さがキーになってくるが、主人公以外のキャラクターの「ケツイ」の強さが象徴的に描かれているのは皮肉にもそのケツイをも殺すことを求められるGルートだ。
ただでさえセーブ&ロードの仕組みに気が付き「とっくにあきらめた」と道化を演じていた彼の数少ない支えだった弟パピルスと壁むこうの友人トリエルをも喪い、はじめて主人公に対し敵意を見せる。
たぶんサンズはどの世界線でもアンダインのような物理的な強さがあるわけではないんだと思う。あってもいいけど。
あの力はひた隠しにしていたものではなく、主人公という「世界の終わり」をなくす、Fate的に言うと抑止力から与えられたものなんではないかと。だからサンズが鬼のように強いのはあのルート限定なのではないかと。
その強さはアンダインのものと似通う部分はあれどベクトルが違う。
アンダインは「世界を護る事」を目的にしているが、サンズは「主人公を止める=殺す」ことを明確な目的にしている。世界は二の次だ。本人も「そうなってることを知ったうえで見て見ぬふりはできない」と言っているし。
私が一番胸を打たれたのはサンズが一度主人公を説得したのち、「見逃してやるよ」とコマンドをくれたところだ。
そう言って見逃されようとした瞬間に主人公を殺し、「おかしいな、オレはハグしようとしたんだが」「お前さんがオレのともだちなら、もう来ないでくれ」と言い残す。
「見逃してやる」とウソをついて、それに引っかかったら即殺すというのが実にサンズらしいというか、「主人公を殺すためならなんだってやる」スタイルが一番表れている非情極まりないシーンだった。
そういうズルを使ってなお実力に翳りが見当たらないところも流石。めっちゃかっこいい。
サンズの攻撃は他のGルートキャラと比べてまったく容赦がないのもすごくいい。推しが強い!かっこいい!
他人の為に修羅となる道化キャラ、に超弱いのでサンズは当然クリティカルヒットだった。しかも滅茶苦茶強い。最高か。
でもサンズはきっと主人公との戦闘中一度もいつものように笑ったりしないし、サンズが強いことをパピルスは絶対に知らないんだと思うと悲しくなる。
考察要素も多分全部読み切れていないから、もう少しちゃんと深堀して何かあったらまた書きたいが、今のところはこのくらい。面白いゲームだったと一言で言い表せるものではないが、やってみる価値はあるしここまで人気が出るのも納得の出来。おうちにSteamかPS4かSwitchがある場合は、是非。