水底ガムシロップ

世の中わかんないことばっかりだ

【SideM】葛之葉雨彦は問題児である・中間考査

 

 

soremosouka.hatenablog.com拙ブログにてこんなことを話した覚えがある。

 

問題点1

雨彦は自分がこれからどうすべきなのかを迷っている。

もしかしたら、その迷っている事すらわかっていないかもしれない。

 

問題点2

雨彦は自分の事を大事にしていない。

その事について、想楽とクリスがわだかまりを覚えていることに恐らく気が付いていない。

 

18年当時、葛之葉雨彦には問題が二つあって、とても丁寧なイベントストーリーによる経験と最終的にSideMemoriesを経て、問題点1に対し雨彦は「掃除も、アイドルも、どちらも全力でやる」と決めた。欲というものを得た。

私はこの時らへんで「当てが外れたかな、次の問題はどっちもやるって決めた分葛之葉家との折り合いになるのかな」と思っていた。問題点2に関しては陰陽師以降目立った探りはWODで一度あったくらいだったし。

 


誰が思うだろう。まさかアニバを超えた先でやるなんて。

そんで一発で解決に持っていくなんて。

 

 

※タイムプリディクション ~時空の監視者~のネタバレがあります

※読み終えたばっかりかつ今回のSRを二枚とも未所持の状態なので齟齬があったらすみません

 

 

 

■はじめに
今回の話は「タイムプリディクション ~時空の監視者~」の感想になるが、
あんまりにも話したいことが多すぎるのでここでは「葛之葉雨彦の心の動き」に焦点を絞って記述する。

 

 

■九転直下
私が上述のブログで挙げていたうち、残された雨彦の問題は「雨彦は自分の事を大事にしていない、それを想楽とクリスは気にしている」というものだ。

今回のイベントストーリーの序盤、時計の展示会で予告通り「過去か未来に行けるとしたら?」という話題に対しクリスは「海が生まれた瞬間を見たい」と答えた。本当~にクリスさんだな~!と思った。好きだ…
そして雨彦は意外にも「自分が生きていないくらい先の未来を見たい」と答えた。
クリスはその真意を自分と同じ「未知への探求心」だと喜んでいたが、北村想楽はそうは思わなかった。だからストーリー9で、クリスのいなくなった場で、雨彦に聞いた。

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この場面本当に震えた。

 

これは多分Seasideliveストーリー4のオマージュというか、お返しなんじゃないかと思っている。
あの時想楽は「Beitは家族みたいに仲良しだけど僕たちは全然違う」とだけ言っていたが、内心は恐らく「僕たちはこれでいいの?」とぼんやり思っていたのではないだろうか。
その思いがぼんやりすぎて自分でも掴めないままあの言い回しになったものの、他人の内面を読むのが異常に上手い雨彦によって質問も言葉に出来なかったのに「俺達のこれも信頼だ」と答えをもらった。
今回はその逆で、雨彦自身が隠してしまった思いを想楽が見つけ、雨彦にまっすぐ問いかけてくれたのだ。

ここが本当に想楽の成長が如実に現れていてよかった…誰も傷つけない曖昧な物言いに終始していた想楽がライサムや様々な越境を経て、
相手を思った上で自分の心も乗せたことばを口にできるようになっていったのが結実した一幕だった。
(多分劇中彼が演じたノイの歯に衣着せぬ物言いはこのあたりの表現なのかなとも思っている)

それと、雨彦と想楽はやっぱり似ているなとも思った。他人の気持ちを誰よりも気にしすぎるあまり、自分の内面に対してはいつの間にか他人よりも見通せなくなっている。

そうやって零れた言葉にまっすぐな信頼を向けてくれるクリスがいるからこそ、Legendersは成立しているんだな~とも。

 

この時雨彦は過去のイベントで探られた時同様はぐらかしてしまう。いつもはここで終わっていた。だが今回は違った。

 

 

■三人でたどり着いた問いかけ

ストーリー19、最近増えていた「撮影の間」のシーン。
タイムワープ技術が遠因でおかしくなってしまったナハトに対して「私は彼が悪人だとは思えません」とクリスが言う場面。
ここでいつもの通りでなく少し間が空いて「…そうだな」という台詞になったのはきっと前述の想楽の追及が響いていたからだろう。揺れた雨彦を見逃すはずもなく想楽からまた言われてしまう。
「雨彦さんは、そうとは思ってないみたいだねー」と。


Legendersを雨彦中心に見た時にバランスがいいなと思う点は、クリスが「雨彦の言葉を額面通りに100%信じてくれ」、想楽が「雨彦の言葉を疑ってくれる=言葉の裏の思いを見ようとしてくれる」ところだと思う。
冗談とぼやかしばかりの言葉でもまっすぐに信じてくれる彼と、その靄を切り裂いて真実を見ようとする彼と、
二人が一緒にいなければきっと今回の雨彦の成長には至らなかった。

誰よりも雨彦の側にいて、雨彦の言葉の裏を探ってきた想楽でなければあの言葉は出なかったし、
珍しく言葉に詰まって謝りまでした雨彦を即座に「飄々としたところが雨彦の良いところです!」と褒めてくれたクリスのところは本当によかったし、
撮影に向かう時、一人だけ立ち止まっていた雨彦はとても印象的だった。


■時刻は25時

結論から言えば雨彦は元々自分の思いこそあれど、それが周囲の意見と食い違う場合表に出すという事をしない癖がついていた。
それは彼の生い立ちや生きてきた境遇から自然に身に付いたもので、本人も「自分の思い=自分自身を大事に思わない」事を忘れてしまう程だった。

そんな雨彦に対して想楽とクリスはそれぞれのやり方で言ってくれたのだ。
「もっとあなたの話が聞きたいんだ、もっと自分の事を見てあげて」と。


ストーリー25、クランクアップした後突然雨彦が想楽とクリスに話しかける場面。
「かもしれない」「思ったことはすぐ言った方がいいと思ってね」という言葉からも、そういった表現に不慣れなところが見えてくる。

二人に問われて自分の思いを自分で探った結果、知りたいことがたくさん出てきて、きっとあの海へ行く提案をしてくれたのだろう。
ストーリーの最初で「偶然が重なってオフに一緒に行動することになった」ところの対比としてついに「自発的にオフに一緒に行動する話をした」で締めるの、話が単純にうますぎる。
ビジネスライクで始まった三人の道行きはまたひとつ強固なものになった。多分だけど、今回の話Legenders的にはかなり大掛かりな節目になった気がする。
これからの三人のお仕事はきっともっともっとすごいものになっていくだろう。本当に楽しみ。

数年前一人で泣いてた私、本当に良かったね。お前の見立ては大方間違ってなかったし、
雨彦と想楽とクリスはぜんぶぜんぶ最高の形で解決して強くなってくれたよ。


今回本当に満足度というか、見届けた感がすごい。ほんとに純粋に劇中含めて話がうますぎる。
劇中の方は私が好きな未来SFモチーフがどっさりで最高だったのでそのへんは別で語り倒したいなあと思います。ありがとうございました。

 

ちなみになんで今回中間考査にしたのかというと、彼の話に終わりはないからです。それ以外に意味はありません。人生は永遠に中間。


■追記
パーチケ爆死してクリスさんも予算決めてだめだったので雨彦が箱から出てくるように応援よろしくお願いします

 

■追記①

投稿直後にレポート出して雨彦がくれたPエン二つ割ったら来ました。

 

■追記②

 

担当上位だと最短で来ました。応援ありがとうございました。頑張ってるP全員の元に雨彦が来ますように。